蟹の食べてはいけない部位
カニというと身はもちろんのこと味噌も美味しく食べられますし、殻以外はみんな食べられるという認識の方も多いのではないかと思います。そんなカニにも実は食べてはいけない部位があるのです。うっかり食べてしまったなんてことがないように、どこが食べてはいけない部位なのかを把握しておきましょう。
カニの中で食べてはいけない部位、それはエラです。上の写真で白枠で囲っている部分がエラです。甲羅を外すと出てきます。ガニとも言われていますので、こちらの呼び方で知っているという方もいるかもしれません。
以外に思われる方もいるかもしれませんが、カニにも魚と同じようにエラがあります。上の写真はズワイガニですが、タラバも毛ガにも花咲ガニも、全てエラが甲羅の中についています。
なぜカニのエラは食べられないのか、エラはカニが呼吸するため、つまり水中の酸素を取り入れるためにある器官です。これはどういうことかというと海水と接している部分ということです。
海水には当然雑菌など、人間にとって良くない生物も存在しており、エラはどうしても雑菌や汚れが付着しやすくなってしまいます。カニの中で1番早く腐るのはエラだとも言われ、このことからもエラが他の部位に比べて汚れていることがわかります。
魚などであれば流通する前にエラを除去しておくのが普通なのですが、カニのエラは甲羅を外さないと除去できないためそのままの状態で売られることになります。
一杯丸ごとを売っている場合などがそうです。そのため知らないまま食べてしまう可能性もあり注意する必要があります。ちなみに、下の写真はタラバガニの甲羅の中身です。
ただ、茹でさえすれば雑菌は殺すことができますし、生のまま食べない限りは大きな問題はないと考えられます。とはいえエラは美味しくない部位ですし、食中毒の心配などがないから食べてしまうという方はまずいません。
害がなくても美味しくないので誰も食べないわけですね。また、茹でたとしても万が一雑菌や寄生虫が死んでいなかったら体に悪影響が出る可能性もあります。リスクが大きいのでエラは絶対に食べないように注意しましょう。
昔は冷凍保存の技術などもなかったことから、獲れたてのカニ以外はエラが黒く腐ってしまっているというのが珍しくありませんでした。そんなエラを食べることで食中毒を起こしてしまう人も多く、そうした環境の中でエラは食べてはいけないという考えが広まっていったようです。
現在では保存技術の進歩もありエラ部分が腐っているカニを見かけることはまずありませんが、だからといって食べないようにしましょう。カニは身と、味噌、この2つの味を楽しむものだと考えなければなりません。