腎臓が悪い人は蟹を食べないほうが良い?
腎臓が悪い人はカニを食べないほうがいい、こんな話を聞いたことがある方も多いと思います。よく聞く話ですが、この話は本当なのでしょうか、また、本当だとしてなぜ食べてはいけないのでしょう。
まず、腎臓の働きについて考えてみましょう。腎臓は体の中を流れる血液を濾過、つまり綺麗にし、全身に運ぶ役割を果たしています。私達の体の中を常に綺麗な血液が流れているのも腎臓が働いてくれているおかげなのです。
血液から濾過された不要物は体の外に排出される仕組みになっています。これが尿であり、尿を出すことで私達は不要物を排出できているわけです。
この不要物の中にはクレアチニンと呼ばれるタンパク質の代謝物が存在しています。腎臓病などによって腎臓が悪くなると腎臓の機能が低下し、こうした代謝物をしっかりと体の外へ排出することができなくなってしまいます。
腎臓が悪い人の食事
そのため腎臓が悪い人は食事療法の一環としてタンパク質を制限することがあります。カニは味がさっぱりとしているためあまりイメージがないかもしれませんが、実は非常に高タンパクな食べ物で、機能が低下した腎臓に大きな負担をかける可能性があります。こうしたことから腎臓が悪い人はカニを食べない方がいいとされているのです。
また、腎臓が悪い人は塩分の制限をしなければなりません。カニは塩茹でされていることがほとんどで、ものによってはかなりの塩気を感じることがあります。カニを食べたらしょっぱいと感じたことも多いでしょう。高タンパクなうえに塩分も多く含まれていることがある、この点もカニがよくないとされる理由になっています。
ただ、タンパク質にしろ塩分にしろ、まったく摂取してはいけないというわけではなく、あくまでも適切な量に抑えることが重要です。このことを考えるとカニを食べてはいけないのではなく、量を守れば食べてもいいと言えます。
腎臓の状態にもよりますので、カニを食べる前には事前に担当医に相談をし、どのくらいなら食べてもいいのかを確認しましょう。そうすれば腎臓が悪い場合でもカニを食べられる可能性があります。調理の方法も工夫すれば塩分を抑えることはできますし、満足いく量を食べられることもあるでしょう。
贈り物としても利用されることの多いカニですが、腎臓が悪い人が身近にいる場合はカニを贈る際にはこうしたことをふまえて注意して贈るようにしましょう。先程も紹介したようにまったく食べられないというわけではないので、あらかじめ小分けされたタイプのカニなどを贈ると量を調整しやすく喜ばれるでしょう。