アサリに入っている小蟹
アサリの味噌汁や和え物などを食べていると、貝の中に小蟹が入っていることがあります。
この小蟹はアサリなどの2枚貝に寄生する蟹で、名前はピンノといいます。ピンノの種類にはオオシロピンノ、クロピンノ、カギツメピンノなどたくさんあり、二枚貝の他に巻き貝に寄生する種類もあり、日本ではカクレガニと呼ばれます。
アサリ、ハマグリ、バカガイ、マガキ、ムラサキガイなどに寄生し、甲羅の幅は1cm未満という小蟹ですが、オスとメスで形態が違います。オスは甲羅が丸く額が少し突出した栗のような形で色は褐色、メスも甲羅は丸いですが、額の突出はなく、白っぽい色をしています。
ピンノは二枚貝の外套膜の辺りに入り込んで寄生しているので、野外で二枚貝を開く機会がないため、姿を見ることはなかなかありませんが、標本にしたり、加熱してお味噌汁の具にしたりすると見つかることが多いです。
アサリの塩抜きをしている時に、生きた状態で貝から出てくることもあり、かなり高い確率で見つけることができます。
寄生しても宿主を食べてしまうことはありませんが、狭い貝殻の空間を占領するので貝の肉は小さくなり、身入りが悪くなります。ピンノは一旦貝の中に入ると、そこで一生を過ごし、貝の中でしか生きてゆけないようになります。
小蟹を見つけた子どもが飼いたいと言ったとしても、貝の中でないと生きていけません。尚、味噌汁と一緒に人間が食べても害はありませんが、美味しくもありません。