毛ガニの漁獲量の推移
日本におけるカニ類の漁獲量はタラバガニやズワイガニといった種類別に、農林水産統計によってまとめられ、漁獲量の推移をみる事ができます。しかし、この農林水産統計では、毛ガニはその他のカニとして扱われている為、具体的な数値や推移を辿るのが難しいのが現状です。
カニと一口に言っても、日本で食用にされているカニは数十種類います。統計上で漁獲量を単独カウントされているのはタラバガニやズワイガニといった有名どころのみでほとんどの種類は「その他」としてカウントされます。
ちなみに、その他に含まれているのは、毛ガニや花咲ガニ、ベニズワイガニなどですが、1995年からベニズワイガニが単独カウントからその他へ編入されており、分類上の漁獲高や推移にも変化が出ています。
毛ガニは近年でこそ一般的に知られている食材ですが、実は1930年頃までは高級食材どころか、食べ物としてすら獲られていませんでした。
毛ガニをとるというよりも、漁をしている時に想定外に網にかかる混獲物という扱いで、主な用途はなんと、畑の肥しなどでした。今考えると、とても勿体ない話ですよね。
食用として扱われはじめたのは1930年代以降です。混獲物としてではなく、毛ガニを取ることを目的とした漁が始まり、専用の捕獲カゴが設置されるなど、活発になったという背景があります。ただし、現在では生態系を守ることを目的として漁獲の上限を設けたり、漁ができる時期を定めたりなど制限されている状態です。
毛ガニの偽物「クリガニ」とは?
北海道周辺の海域を中心に、年中どこかで水揚げがされているのが「毛ガニ」です。身はもちろんのこと、カニミソ(正確には肝臓と膵臓)もたまらなくおいしいので、頻繁にとはいかなくても、たまに買って食べている方も多いのではないでしょうか?
身の部分はもちろんのこと、カニミソの部分もおいしく食べられることで有名だと思いますし、大好きだという方も多くいらっしゃるかと思うのですが、実は偽物が存在するということを、皆さんはご存知でしょうか?偽物といっても、人工的に作り出されたものではないのですが、見た感じがとてもよく似ているカニがいるのです。そのカニというのが、「クリガニ」という名前のカニです。
そもそも、毛ガニの正式名称は、「オオクリガニ」という名前です。そのため、偽物と言われているクリガニと一緒にされていても、それほど問題がないようにも思えるのですが、やはりクリガニはクリガニですから、毛ガニと偽って販売することは間違っています。このような業者はそれほど多くはありませんが、稀に出くわす可能性もあるので、気をつけてほしいと思います。
この二つのカニは、見た目で見分けをつけることができます。まず毛ガニは、甲羅の部分が四角形で、やや縦長に見えるのが特徴です。それに対しクリガニは、甲羅の部分は五角形で、やや横長に見えます。
では、クリガニの味はどうなのかというと、正直おいしいです。そして、毛ガニよりも安い値段で購入することができるので、ただ単に「カニが食べたい」というのであれば、クリガニを購入して食べても、充分カニの旨みを堪能することができると思います。